Dream Japan

Vol.20:


"Endspiel/Finale!" - La Dernière Séance!

"エンドシュピール/フィナーレ!”-The Last Session!(最後のセッション!)

(2013/5/28)

2012-13シーズンのチャンピオンズ・リーグ王者はバイエルン・ミュンヘンとなった!

5月25日のロンドン、ウェンブリー・スタジアムでの決勝は、FCバルセロナ、ユベントス、アーセナルらを倒したバイエルン・ミュンヘンと、レアルマドリー、マラガ、そしてグループリーグでマンCやアヤックスを敗退に追い込んだドルトムントのドイツ勢同士の対戦となった。

1-1の同点から、リベリーのゴール前を背にしたヒールでのパスからロッベンが飛び出し、左足で冷静にゴールに流し込み決勝点をあげた。

「世界最高の飛車角」- スペシャルな世界最高峰のウインガー、リベリーとロッベンを有するバイエルンは、ドイツ国内の才能を集め、この4年で3度目のファイナル進出であったが、過去2回はいずれもインテル、チェルシーに敗れており、「3度目の正直」となるか、注目を集めていた。

リベリーはマルセイユやガラタサライ、そしてバイエルンで、カップ戦やリーグ優勝は果たしていたが、ジダンのいた最後の夏のドイツW杯でも準優勝で、国際大会では優勝にあと一歩のところで手が届かなかった。

一方のロッベンもPSV、チェルシー、レアルマドリー、バイエルンで国内制覇はしていたが、2010年のW杯でも準優勝と、国際大会での優勝に手が届かなかった。

ドイツ人選手たちも、シュバインシュタイガー、ラーム、ミューラー、マリオ・ゴメスら主軸は2008年EUROで「クアトロ・フゴーネス(4人の創造者)」、シャビ、イニエスタ、ダビド・シルバ、セスク・ファブレガスらを擁するスペインに敗れていた。

そういった中で、バイエルンはベッケンバウアーのいた74~76年に、アトレチコマドリー、リーズ・ユナイテッド、プラティニ登場以前のサンテティエンヌらを倒し、3連覇した時代を彷彿させるスター軍団を集めた「FCハリウッド」と呼ばれる本チームでようやく栄光を手中に収めた。

ドルトムントはシーズン開幕前に香川を失っていた。しかし、シーズン前に補強したロイスがことのほかマッチし、リーグ14得点。エースストライカー、レヴァンドフスキーもリーグ24得点、CLでは”メッシ超え”の10得点でかつレアルマドリー戦で4得点と大活躍した。

バイエルン行きが決まっているが、レヴァンドフスキー、ロイスと共にクロップ監督の躍進を支えた中心選手のゲッチェがケガで決勝に間に合わなかったことも痛かっただろう。

フンメルス、ズボディッチの両CBの質の高さはワールド・クラスであった。

GKのヴァイデンフュラーもゴールが決まってもおかしくない状況で何度も得点を防いだが、ドルトムントからバイエルンに移籍したドイツ代表正GKノイアーに匹敵する活躍をみせていた。

前半途中まではドルトムントペースであったが、徐々にバイエルンが力を発揮し、後半15分の先制の場面もリベリーの危険なペナルティエリアへのロッベンへのパスから、マイナスのクロス、そしてがマンジュキッチが先制点を押し込んだ。

GKヴァイデンフュラーは再三のピンチを救っていたが、ここは見事なパス交換に右に左に振り回された格好だ。

それからまもなくしてバイエルンのブラジル人CBダンテがレヴァンドフスキーを倒したことにより、ドルトムントはあっさりPKを得たが、トルコ人とのハーフでドイツ代表を選んだギュンドアンが冷静に決め、後半23分、同点となった。

後半30分過ぎからはほぼバイエルンペースで試合が進み、そしてついに後半44分、決勝点が、リベリーとロッベンのコンビネーションから生まれた。

リベリーがDFのハビ・マルティネスからのロングボールをゴールエリア中央でさばき、ヒールパス。そこに飛び込んだのが助走をつけたロッベンだった。ロッベンは加速しながらも冷静にキーパーの位置を見て、走り込んだ方向と逆サイドにグランダーでシュートを決めた。

互角の戦いという人もいようが、確かに前半飛ばしていたのはドルトムントだったが、流れの中で点をとったのはいずれもバイエルンだった。

シュバイニーは、「バルセロナを倒した我々が真のチャンピオンだ!」と豪語した。


◆"State-of-the-Art Point":

  

Jリーグ20周年を迎えたサッカーは、新時代を迎えようとしている。Jリーグの今後を考慮する前に、まずは今季の欧州サッカー界をプレーバックしてみよう。

史上初のドイツ勢対決を制したバイエルンは近年、欧州チャンピオンズリーグのファイナルに名を連ねていたが、世界一のクラブはバルセロナであったといっても過言でない。

しかし、その流れを止めたのが、今回のバイエルンだ。さらに来年からはバルセロナを再び欧州の頂点に導いたグアルディオラの監督就任が決定しており、ドルトムントからゲッチェに加え、エースFWのレヴァンドフスキーも加入間近と伝えられている。

決勝トーナメントで2戦合計7-0でバルサを退けたバイエルンの戦いは”王者交代”を印象づけるに充分な結果だったが、レアルマドリーを退けたクロップ監督のドルトムントも見事なものであった。ドイツ勢の躍進は現代の潮流だ。

スペインでは、モウリーニョは昨季リーグでバルサを退けたが、CLでは頂点に立つことなくマドリードを後にし、再びロンドン、チェルシーに戻ることになった。

レアルの監督には、バイエルンを勇退したハインケスや、PSGを19年振りの優勝に導いたアンチェロッティの名前があがっている。

レアルはイグアインやベンゼマ、カカー、さらにはクリスティアーノ・ロナウドらの離脱の危機にあり、希代のファンタジスタ、ジダンがSDに就任することで求心力を維持しようとしているが、トテナムからギャレス・ベイルの獲得で、誰かが押し出される可能性は高い。

一方のバルサはサントスからネイマールの獲得に成功し、シャビやビジャらの高齢化の懸念にプジョルも故障がちと不安要素が出てきていた流れを変えられるか。イニエスタ、セスクらも健在だが、チアゴ・アルカンタラら一部の才能が出場機会を求めて移籍するという話も出ている。チームとしては”メッシ依存”からの脱却が、ネイマールひとりの補強で足りるのか、が課題である。

メッシは再び得点王になったが、戦術面でもクリエイティビティーでも進化しなかったアスールグラナの一年といって過言でない中で、期待の新星、ネイマールがいよいよ来季より欧州の舞台に登場し、ファンタジーと新しいフットボールで魅了してくれるだろうか。

また、バルサを出て行くことになるGKバルテズ、ボージャンやアビダルらをどこのチームが獲得するのか。

一方、イングランドは一昨季はチェルシーが欧州の頂点にたったものの、その立役者ドログバが離脱してから迷走し、トーレス、デンババもスーパーな選手ではなかったと証明した一年となってしまった。

アザールやオスカルという新たな才能を獲得した事でスペクタクルは増したが、若いチームだけに失速してしまった。

ただし、”The Special One”、モウリーニョが6年振りにロンドンに帰還することで、特別なチームになる可能性もあり、前回、ドログバ、エッシェン、マルーダらを獲得したように、誰を獲得するのか、に注目が集まる。

ヨーロッパリーグは制覇したが、そのレベルでアブラモビッチオーナーが満足する筈がない。また熱いイングランドでの戦いが始まると言えるであろう。

香川の加入、得点王ファンペルシーの加入で余裕でプレミアリーグを制したマンチェスター・ユナイテッドだが、サー・アレックス・ファーガソンが13度目のリーグ優勝、38個のトロフィーを手土産に26シーズン指揮したチームを勇退する。

後任にはエバートンのモイーズの監督就任が決まったが、この引継ぎは容易ではないだろう。カントナ、ベッカム、ギグス、Cロナウド、ルーニーらを頂点に導いたファギーの代わりは簡単ではない。ただし、エバートンからミララスやコールマンら若手を連れてくる可能性はある。

主力のルーニーは移籍志願しており、移籍先にはPSGやレアルマドリーらの名前があがっており、さらにナニも移籍する可能性がある。InとOutが予想されるし、何より”勝利”にこだわったファギーの代わりにマンUを常勝チームにできるかというのは難しいプロジェクトだ。

アンリ、ピレス、ビエイラらを率いて無敗の"The Invincibles"を率いたのも今は昔、8季連続無冠のアーセナル、ベンゲル監督は、カソルラ、ポドルスキー、ジルーを獲得し、効率経営を貫いた。

「マネー・ボール」で一世を風靡したメジャーリーグ、アスレティックスのビリー・ビーンと並び、「効率経営」での評価は得られるが、ライバルファギーの退任の今こそ、大きな投資をすべきだ。

いや、優勝を目指すべきだ。モナコや名古屋で結果も残して評価はされているが、ロンドンという国際都市の監督が、フランスリーグの地方クラブのように若手を育てて、メガクラブに選手を売るだけでは、ファンも納得しないだろう。

セスク、ナスリ、ソング、ファンペルシー・・・近年、多くの中心選手を放出し、相応の利益は得たが、8季も優勝を逃してきては求心力を失いつつある。

ベンゲルは新チーム構想として、フランスの新たな至宝、リヨンでのシーズン最後の2戦で見事なフリーキックを決めてチャンピオンズリーグ出場圏内の3位にチームを導いた22歳のMFクレマン・グラニエに興味を示している。

当然、高値がついていくだろうが、今こそ、スター選手に投資すべき時にある。代替はいるかといえば、いる。モンペリエMFユネス・ベルアンダはかつてコンビを組んだジルーを最大限活かすだろうし、スウォンジーでミカエル・ラウドルップ監督の元、リーグ19得点とブレイクしたスペインのミチュ、リヨンのグルキュフらもいる。

グラニエより高値はつかないだろう彼らやその他彼らに匹敵する期待の選手を獲ることで、ロンドンのファンを納得させることができるかも知れない。

本来は、フランス代表に定着しそうなボランチのキャプエやムサ・シソコ、さらにはエバートンのフェライニのような選手を獲って中盤の底を安定させる必要もあるし、さらなるエースFWの獲得も必要だ。

エースFWの候補はやはり、ドログバのようなどんな逆境もはね返しそうな不屈の精神力をもつ選手が理想だが、オランダリーグ得点王で、ドログバと同じコートジボアール代表の新星、フィテッセのウィルフリード・ボニーのような選手も面白いだろう。また現実路線では、PSGのガメイロやリールのカルーらは補強にはなる。

今メディアでは、オセールFWヤヤ・サノゴの獲得が噂されているが、実績のあるFWも欲しいところだ。

宮市は、故障がちのフィジカルを強化し、ジェルビーニョ、カソルラ、ポドルスキー、チェンバレンら以上に使いたいと思わせる活躍がないと厳しい状況にある。ぜひ、”武者修行”で結果を残してもらいたい。

マンC、トテナム、リバプールらはこれからは厳しい状況にあるが、中でもスアレスのレアルらへの移籍が噂されるレッズがどうなるかであろう。CSKAで優勝した本田は移籍するならこういったチームの方が出場機会に恵まれ、持ち前の強い個性でチームを引き上げられるかも知れない。

イタリアは、ユーベが再び連覇で王者として君臨したが、ACミランがベルルスコーニの不祥事で揺れ、経済も不安定で投資モードから消極的になったこともあり、欧州の頂点に立つための動きが減っている。

セリエAも観客動員は軒並み減り、ファンのカルチョ離れが深刻だ。とはいえ、カルチョの伝統の国だけあって、ナポリのベニテス監督就任、また、ローマにブランのような監督が就任すれば、また勢いを増す可能性もあるし、インテル、フィオレンティーナ、ラッツィオら強豪ひしめく状況には変わりない。

勢力図を大きく変えそうなのは、むしろフランスだろう。

  

ドイツブンデスリーガや、ポルトガルリーグらの後方に位置しそうだった中で、首都パリの優勝は国内全体を活気づけた。

最大のライバル、マルセイユも2位におり、かつて栄光を極めたリヨンも3位、リール、ニースらもガルシア、ピュエルという有能な監督の元で活気があった。

そして何より、名門モナコのリーグアン復帰で、アトレチコからファルカオ、ポルトからモウチーニョ、ハメス・ロドリゲス、レアルからベテランDFリカルド・カルバーニョらを獲得し、さらにゼニトのフッキも噂されているように今後も選手を積極的に増強するであろう。

ベッカムの引退で華を添えたPSGは、世界の注目も集めたが、ズラタン、メネーズ、パストーレ、ラベシらのレギュラー陣に加え、ルーニーのようなワールドクラスの選手を獲得することが次の課題だ。新星としてはイタリアからのヴェラッティが輝いていたがアイドルになるにはもう一歩上の段階に行く必要があろう。

かつて輝きを放ったグルキュフや、新星グルニエ、あるいは南米、アジアのスター選手もさらに欲しいところだろうが、とにかく、ワールドクラスのチームになる必要がある。

     

心配事はアンチェロッティ監督がレアルマドリーに行く可能性があることだが、ブランの名前や、TDの鹿島の貴公子、レオナルドらの名前もあがっている。

ベッカムはイングランド、スペイン、イタリア、アメリカ、そしてフランスのクラブで活躍し、常に注目を集めたが、パリを最終地点に選んだことは正解だったろうし、今辞めたことで、彼の特徴であるハードワークが活かされた状態で世界のフットボールファンの記憶に名をとどめることに成功した。

人気先行とも言われたが、5月18日のパリでのブレストとの最後の出場試合でコーナーからマトゥイディにアシストを決めたように、まだやれる状況でピッチを去った。

一方、Jリーグは20周年を迎え、カズがまだ現役であることは驚異的ではあるが、リーグを見ると、かつてのジーコ、リネカー、ディアス、リティらワールドクラスの選手は不在だ。

活性化のためには、デルピエロやベッカムらのような注目を浴びるスターも必要だろうが、地域密着で着実に地域に根ざしている点、パスを繋いでばかりだった日本人選手の個の技術が向上している点は評価できる状態にある。

海外に日本人が多く出て行き、働く場が得やすくなったのも大きな進化だが、一方で主力として活躍している選手が多いわけではない。

リュングベリが清水に来てくれたのは嬉しいことであったが、20代のような活躍はできなかったものの何かをチームに残そうとしてくれていたのは確かだった。

現実路線、堅実路線もいいが、国際的な市場としてのJリーグの魅力は以前よりもなく、クラブチームの多くが運営が苦しいのも難しいところだ。

レンタルでもいいので国際的スター選手を獲って人気を得るか、堅実経営に徹するかの岐路にもあるが、当初のJリーグの国際的にも著名なスター選手がリーグを盛り上げたのは確かだった。

         

レベルアップも観客動員も成功を収めつつあるドイツブンデスリーガは参考になるし、Jリーグと似ていてクラブは群雄割拠でFFFというリーグ機構が常にクラブよりも上にあったフランスのリーグアンがFFF優先から門戸を開放し、ロシアや中東マネーを積極的に取り入れて変化しようとしているように、Jリーグにも、まずはアジアチャンピオンズリーグで勝てるようなチーム、そして世界に誇れる魅力あるクラブチームづくりのために何をすべきかといった高い課題が今後は求められていくであろう。

"All Ends with Beginnings" - 全ての終わりは始まりと共にある。見事なフィナーレを飾った欧州の頂点の今季を振り返りつつも、まずは日本はW杯出場を決めてコンフェデでブラジル、イタリア、メキシコと戦い、世界でどこまでのレベルにあるか、何が足りないのかを知り、新しい始まりを描く21年目の日本のサッカー界の立ち位置を知り、世界のサッカーの進化を見届けていきたいものである。

そしてその先には、2014年ブラジルW杯が待っているのだから!



The song is dedicated to the Champions of 2012-13 seasons and the end with beginning of "Becks" who wins in the last session in PSG.

◇Get Lucky ! (2013.05.17 ) - New Release of NO.1 Song by "Daft Punk"

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・FIFAコンフェデレーションズ・カップ2013


・FIFAコンフェデレーションズ・カップ2013特集


・テレビ朝日 ブラジルW杯アジア最終予選(2013.06.04)




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