Dream Japan

Vol.22:
"Never gonna dance again..."
- "George Michael Tribute"

information

(2017/01/25)

"Time can never mend..."(時は決して修復できない)ー"天才"シンガーソングライターが、この世を去った。

ジョージ・マイケルは10代で人気ポップデュオ”Wham!”としてデビューして瞬く間に人気者になり、冬の名曲"Last Christmas"や"Wake me up before you go,go"らのヒット曲を生み出した!そして日本でも日立マクセルのCM曲として"Bad Boys"が掛かり、Duran Duran、Culture Clubらと並び、全世界のミュージック・シーンをリードし、ビートルズ、ストーンズの60年代のブームに並ぶ、第2次ブリティッシュ・インベイジョン”第二次英国人の侵攻”と呼ばれる80年代の英国出身アーティスト・ブームの中心にいた。

転機は"Careless Whisper"の大ヒットだろう。

アンドリュー・リッジリーと、ジョージのコンビからなるこのデュオは、ジョージの作曲に、ボーカル、そしてアンドリューがギターと持ち前の陽気さで空気を和ませるキャラクターとしてデビューアルバムから全英No.1。いつになっても中々評価されないが力のあるミュージシャンが多い中で、運にも恵まれ、早々に成功したかのようにみえた。

英国の失業率の高さに対してサッチャー政権が大鉈を振るった時代に、失業しても踊りにいくさ、と歌った問題作であり、後のラップ・ブームの先駆けでもあった"Wham Rap!","Club Tropicana"で踊り明かそうといったパーティーチューン、"Ray of Sunshine","Freedom","Young Guns"...らヒット曲は陽気さとヤンチャさを兼ね備えていた。日本でいうジャニーズや、AKBらのような存在だったのかも知れない。

しかし、活動期間わずか5年で1986年6月28日にWham!はウェンブリー・スタジアムでの解散ライブを行い、解散してしまう。

当初からジョージの才能が突出しているという評論家の評価の中で、ジョージ自身も陽気なダンスチューン、恋愛の歌を中心に作曲していたが、曲調に変化が訪れてきた。

それを決定づけたのが"Careless Whisper"の全英米No.1、世界中でのNo.1ヒットで、1985年の年間チャートでも、No.1を獲得した。

日本でも西城秀樹が「抱きしめてジルバ」として、郷ひろみが原題のまま歌い、ヒットした。

この曲と"Last Christmas"、再びソロ名義での"A Different Corner"あたりから、ソロになる土台が形成されていた。日本でも織田雄二やExile、海外でもTaylor SwiftにAriana Grande、C.R.Jepsenら多くのミュージシャンがカヴァーしたが、Georgeに勝るヴァージョンはなかった程、才能があった。

Wham!としての最後のアルバム、"The edge of Heaven"からは”I'm your man”、”Everything she wants”らのヒットが、ソロ・アーティスト、天才ジョージ・マイケルの第2章を予告していた ・・・。


◆"State-of-the-Art Point":

- "Never gonna dance again..."

ジョージのソロデビューは、大御所、アレサ・フランクリンとのデュエット曲、"I Knew You Were Waiting (For Me)"での全英米No.1から始まった。

そしてpumping rhythmの問題作、"I want your sxx"のヒットでは、放送禁止をくらい、アイドル脱却宣言として大人の、セクシャルな存在としてのジョージのイメージを定着させることに成功した。

女性ファンからの人気ばかりだったジョージに、アイドル脱却、タダものではない・・・とおもわせる大転換。そして初のソロ・アルバム”Faith”からのOpening Number、"Faith"の全米No.1、全英No.2ヒットはエルヴィス・プレスリーさえも彷彿させるスマッシュヒットとなった!

アルバム、"Faith"からの快進撃は続き、"Father Figure"(父親代わり)、"One more try"の全英米No.1で天才振りを最大限に発揮した!

その後も"Kissing a Fool"や"Monkey"といったヒットを飛ばし、グラミーのアルバム賞を受賞し、何と黒人チャートでの初の白人としてのNo.1、マイケルやプリンスが行った逆のことをやってのけた。


2nd Album"Listen without Prejudice vol.1"は路線をまたたくまに変え、Acousticで、bluesyで、soulfulな歌唱力と、繊細なメロディーで”聴かせる”シンガーソングライターとしての地位を確立した。

"Freedom '90","Waiting for that day(~You can't always get what you want)","Praying for time","Heal the pain","Cowboys and Angels",熱唄の"They won't go when I go"でのStevieのカヴァーなど、名曲が存在していた。

"Faith"よりも好きだ、じっくり聴ける・・・という評価があったがMusic Videoに本人が出演しないこともありつつも、1stよりもヒットしなかったことで、Sonyと路線を巡る訴訟に発展し、Virginに移籍することになった。

"Listen without Prejudice vol.2"を出す予定であったが、もし完成していたら、以下のような曲がベースになっていただろうと創造できる。


1."Too Funky"

2."Love's in need of love today"(Stevie Wonder cover)

3."Happy"

4."I believe"(Stevie Wonder cover)

5."Do you really want to know"

6."Crazy man dance"

...

実現はしなかったが、ダンスからソウルフルなナンバーまで揃った名アルバムのひとつになったに違いない。


その後、Virgin移籍後の3rd Album発表前に、

"Don't let the Sun, go down on me" duet with Elton John

"Somebody to love"(Queen cover)

"These are the days of our lives" with Lisa Stansfield(Queen cover)

らでもクオリティの高い歌声と楽曲アレンジ能力を披露して、"Don't let..."の全英米No.1を筆頭に、チャートの中心で認められた存在だった。

遂にVirgin移籍・・・"Fast Love"あたりのクールでカッコいいダンス・チューンで華々しく復活、とおもいきや、恋人の突然の死が訪れ、哀悼をうたった"Jesus to a child"というレクイエムからアルバムはスタートした。

"It doesn't really matter..","Move on",”Older”,"You have been loved","To be forgiven"...らの渋い楽曲でファンを納得させたが、続く4th albumでは"Amazing","Frawless","Freeek","Shoot the Dog"などのヒットが生まれたが、彼の得意な全英米No.1に輝くような、名バラードも欲しいところだったか。

その前に、ジョージファンならご存知のちょっとしたセクシャルな問題があり、LAで警察にお世話になってしまったが、それを"Outside"という快活なダンスナンバーでユーモアを交えて吹き飛ばしていた。

彼を擁護すれば、10代で女性ファンに追っかけまわされ、20代、30代でも天才として余りにも、モテ過ぎて、元々Wham!というデュオでの”共依存”状態からソロになる過程でのひとつのプレッシャーの回避策がなかった中で、徐々にセクシャルに男性を趣向するように変化していった、とファンなら容認すべきか。


その後も歌唱力を発揮し、Jazzyなカヴァーアルバムでの"Miss Sarajevo","I remember you","Roxanne"...お得意な"An Easier Affair"といったダンス・チューンらも作っていたが、"White Light"を最期に、彼のオリジナル曲はもう聴けなくなった・・・。

彼を一言で例えれば、"天才中の天才"であったともいえ、10代から早々に活躍したが殻を破り、イメージを破り、それでも成功を収める点では、才能が突き抜けていた。

エルトン・ジョンに言わせれば、彼は"優しい男"であったそうだ。まるで"Jesusがchild(子供)に微笑むような"。(Jesus to a child)

もう彼の天才的な新作が聴けないとおもうと、非常に悲しいが、天才だが、苦悩や葛藤も垣間見られ、特に晩年は苦労したようだが、人間的な弱く、迷える側面も見せるあたりが、非常に正直な人であったとおもえてならない。

暫く日本を訪れていないが、ジョージともう一緒に踊ることはないだろう・・・。

"Never gonna dance again..."というCareless Whisperの一節が、悲しくも彼の才能を雄弁に物語ってくれている・・・。


◆"G.M.のお勧めパフォーマンス曲、Best20!"

1.Don't let the Sun, go down on me

2.Faith

3.Fast Love

4.Careless Whisper

5.Last Christmas

6.Father Figure

7.One more try

8.Too Funky

9.Wake me up before you go go

10.A Different Corner

11.Love's in need of Love today

12.I believe

13.I knew you were waiting(for me)

14.They won't go when I go

15.Young Guns

16.Waiting for that day

17.Frawless

18.These are the days of our lives

19.Amazing

20.Battle Stations

...他。


枚挙にいとまがないし、当然、上記以外でも、その時によっても好きな曲調もかわるであろうが、それだけ才能の粒の多くを提供してくれたアーティストだった。

12月25日のクリスマスに亡くなるなんて、何といっていいものか。

"Last Christmas"-この恋愛の別れでの傷心を乗り越え、前向きになろうというセンチメンタルな彼の曲が2017年以降は、もっと違ったテイストで聴こえ、響き渡ることになるであろう・・・。

Thanks George ! Rest in Peace !


"Careless Whisper"


・ベストヒットUSA「~George Michael追悼特集~」

【BSテレビ朝日】:2017年1月27日(金)午後11:00~11:24 放映


links:

・George Michael official


・Sony Music


・GM twitter fan site


"One more try"...George...